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Death & Honey

死と蜜、儚く甘く気だるい魔法

”発芽 How to”

発芽

How toなんていらない

ライフハックなんてつまらない

舌がもつれて

君の前ではもう話せない

 

感情

移ろいやすく淡く脆く

結局のところ脳内物質の分泌の過剰、不足だとしたら?

たったそれだけの事実だとしたら?

 

頬は潮風を感じ

なんだかもやもや考えているうちに土曜の日が暮れた

もう思い出せない

手がかりをくれないかな?

幾何学模様の手鏡や溶けそうなソフトクリーム

森羅万象

知覚

無自覚も

ひとところに収束はしない

結論は出ないのに

彷徨ったふりして

飢え渇いたふりして

 

やがてまた発芽

How toなんていらない

ライフハックなんてつまらない

舌がもつれて

君の前ではもう話せない

 

 

 

 

 

”選んでいるところ”

その脳内世界に

つま先からひたって

肩まで浸かって

もう逃げられない

逃げたくもない

 

自分で話したい

大好きなあの名曲は確かにこの気持ちを代弁してくれるけれど

私は私から話しかけたいんだ

自分の言葉で

その言葉を選んでるところ

 

当たり前のような気はきかないし

鈍いし⋯

やんなっちゃう

自分への恨みつらみ重ね

眠れないよ週末は

あ〜、何やってんだろう

部屋の電気消して

スマホばっか見てる

 

積み重なったのは他愛ない会話だけ

愛ある会話がしたいよ

 (先に愛の定義をせよ!)

 

お洒落なのにリュックだけダサいとか

指が細くて長いとか

何か教えてくれる時の伏し目がちな目つきや

笑いをこらえている時に赤くなることとか

 

いっぱいいっぱい

言いたいことはあるのになぁ

 

自分で話したい

名曲は確かにこの気持ちを代弁してくれるけれど

私は私から話したいんだ

自分の言葉で

その言葉を選んでるところ

 

 

 

”両の眼球が”

何かわかったかい?

 

大人たちは遠いところで自慢している

子どもたちは遠いところで謳歌している

 

どちらにも、『私』は属さない

ねえ本当は、

君も含めて、『私たち』と言いたいところだけど、それは許してもらえないだろう

 

「わからない」

この指先が答える

 

愛情でも友情でも義理でも契約でもなく、ただ、単純に

君の両の眼球が、こっちを見ている

 

 

”かりそめの恋心”

さようなら!かりそめの恋心よ!

僕は崖から飛び降りるだろう

そんな夢を見るだろう

泡のような夢を見るだろう

くだらない夢を見るだろう

 

少ない言葉と

少ない色と

少ない線だけの

額に入った

君を好きになった

 

泡のように消えるだろう

崖から飛び降りるだろう

嫉妬で身をよじらせながら

炭酸みたいに砕け散るのだろう

散り散りになるのだろう

無意味な思慕に魂を捧げた

嗚呼哀れな青春よ

哀れな思慕よ

ガラス窓のように馬鹿げていて

消火栓のように愛おしい

灯台のようにおかしくって

黒い、大きなピアノのように図々しい

誰が馬鹿にできようか

(馬鹿にできるのは僕だけだ)

さようなら!かりそめの恋心よ!

 

 

”神聖なる禁猟区”

ここは禁猟区

神聖なる領域

誰にも穢されることはない

醜さも、美しさも紙一重

奇跡は太陽に近く

後悔は月に優しく添い遂げる

 

どこからか穏やかな風が吹き

狩人は世界を支配する空砲を放つ

ひしめき合う薔薇が生き辛い人たちを守り

存在の理由なんて忘れさせる

 

穢れた言葉を投げるな

ここでは、それ相応の罰があると心得よ

閃きはそのまま実行に移せ

ここでは、夢中になれたらそれで全て

 

鳥たちのさえずりと果てが無い森

硬い剥き出しの土、優しい芝

大きな葉や花たち実たち

 

誰も知らない、誰にも見えない己がここにある

神聖なる禁猟区

魂の救いになるのであれば、いつでもここに来ると良い

 

 

 

 

 

 

 

”冷たい瞳は誰のもの?”

軋み

放つ

白んだ嘘の切れ味に酔いしれな

 

壁は灰色

石の沈黙

弦のたわみ

そのきらめき

響き

 

風邪ひいちゃったかな

声がザラザラ

 

冷たい瞳は何も語らない

何も語らない

何も見ていないのだから当然

足を投げ出し壁にもたれてかかっている置き人形

 

ハハ

厳しいね

悪態の一つでも吐けば? スーパーマンさん

 

 

 

 

 

 

”一瞬”

愛したのは一瞬で

憎んだのは一瞬で

殺したのは一瞬

 

息を止めて

目は開けたまま

その人は頷いた

 

こびりつく錆のような

友情に

愛情に

思いやりに

嫌気が差して

 

最後はエナメルの息一つ