Death & Honey

死と蜜、儚く甘く気だるい魔法

”夜になぐさめられてしまう前に”

ちょうだい

もっとちょうだい

 

返事が見つからない

涙は溢れるのに

何も言葉にならない

夜は不思議

私は包まれ、なぐさめられてしまう

 

足りなさを引きずって浪費

病みは癒えぬまま行為

 

秘密は秘密のまま

誰にも言えないことばかりが

この身体の輪郭の内側を埋めていく

 

教えて

もっと教えて

夜になぐさめられてしまう前に

 

 

 

”くっついてはなれる”

燃え殻の人たち

行く末は皆同じ

 

抵抗してみても

反発してみても同じこと

変わりやしないんだから

ガラス製のマネキン

虚空を見つめ

 

店の天井隅に設置されたスピーカーが当たり障りのないBGMを流しているよ

誰かの人生の応援歌

誰かの魂の鎮静剤

でも、私のじゃない

 

コピー&ペーストで造り出される生命

 

ほらくっついて

またはなれた

 

 

 

 

”雪は深く”

悲しい知らせに君は問う

深くベレー帽かぶりなおし

息は白く

 

言葉を選び

撃つ銃は神様の一撃

 

胸に開いた風穴が僕の勲章さ

これ以上説明はいらないよね

 

語れば語るほど雪は深く

紡げば紡ぐほど血が流れる

 

 

”救え”

叶わなかった

散れ散れの夜たち

その願いや祈り

掬いとって

 

墮落の悲劇

愛らしき十七歳

どれもこれも散れ散れになった夜たち

それもこれも卑屈になった轍

 

神の怒り

背いて

君は光り、笑う

 

端的に言えば「答え」だ

ただ一つに纏まらない想いなんだ

君の穏やかなその・・・

 

 

”お前は宙吊り”

はりきりたいね

やりきれないね

なんて捨ててって

消えてったって

 

結局「いくら?」って

相場踏んで

死んでくだけで

 

悲しいよね

もういいよね?

 

言ったそばから蒸発

泣いてすぐさま出発

 

悲しいだけで

もう

泣いてるだけで

力にもなれない

 

痩せた若者は

毒を吐きながら

また死んでいく

また

 

幸せにもなれない

不幸せにもなれない

お前は宙吊り

 

 

 

”苦し紛れに”

苦し紛れに

戦った痕跡は罠

大きな音がする

どこか工事かしら

体の奥まで響く音がする

 

夕闇に紛れてスイサイド気分

己の凍結

閉鎖していく心

暗い海は何も語らない

 

死に際に

戦った痕跡を讃えよ