Death & Honey

死と蜜、儚く甘く気だるい魔法

”無限のエンドロール”

寄り添えど

足並みは合わず

わざとかなって勘ぐりもしたし

色々捨ててきた

予防線張っても

死ぬだけだった

 

そこかしらにヒントは張り巡らされ

人生の伏線を回収

君のストーリーに私は登場しないんだね

 

ねえ、待ってよ

牙はもう無いし

この身体は洗浄装置で清めたよ

 

そのはずなのに

霧が深くて

君の顔が見えない

足跡すら追えない

 

暗く白い森の中

橙色に堆積した腐葉土に膝をつき

今まさに死にゆくところさ

あー、バイバイ。

 

(そして流れる無限のエンドロール)

 

 

 

”滞留する蒼”

届きません

声も、言葉も、視線も、手も

ほんのささやかなものを待っています

 

なので夜は少し泣いたり

お酒を飲んで電話をかけて、からかうかもしれません

ごめんね

 

感じていたより距離は近く

でも見た目より心は遠い

 

さめざめと言葉を投げては

心が折れ

また塞ぎ込んでしまいます

若さとは「何回折れたか」であり

「何回生まれ変わったか」なのです

 

蒼いうちが華

 

 

 

”夜になぐさめられてしまう前に”

ちょうだい

もっとちょうだい

 

返事が見つからない

涙は溢れるのに

何も言葉にならない

夜は不思議

私は包まれ、なぐさめられてしまう

 

足りなさを引きずって浪費

病みは癒えぬまま行為

 

秘密は秘密のまま

誰にも言えないことばかりが

この身体の輪郭の内側を埋めていく

 

教えて

もっと教えて

夜になぐさめられてしまう前に

 

 

 

”断層”

もうズレて

力抜けてくだけで

断層

誘惑に近いだけの血と肉

 

揺れる灯籠

魂を映したゆらぎ

白い衣も黒い衣も

皆血で染まる

どうせ皆夜明けには消える

 

新しい朝は

君の名前を思い出せないだろう

その笑顔も

やがて消えていくだろう

 

 

 

”くっついてはなれる”

燃え殻の人たち

行く末は皆同じ

 

抵抗してみても

反発してみても同じこと

変わりやしないんだから

ガラス製のマネキン

虚空を見つめ

 

店の天井隅に設置されたスピーカーが当たり障りのないBGMを流しているよ

誰かの人生の応援歌

誰かの魂の鎮静剤

でも、私のじゃない

 

コピー&ペーストで造り出される生命

 

ほらくっついて

またはなれた

 

 

 

 

”雪は深く”

悲しい知らせに君は問う

深くベレー帽かぶりなおし

息は白く

 

言葉を選び

撃つ銃は神様の一撃

 

胸に開いた風穴が僕の勲章さ

これ以上説明はいらないよね

 

語れば語るほど雪は深く

紡げば紡ぐほど血が流れる