”嘘7000”
僕たちは街の煙突という煙突を塞ぐ
腐臭いっぱいの生ゴミを食べ
おまわりさんに犯罪をさせ
すれ違う人皆の死に顔を想像し、スケッチする
(彼女は一度だけ僕の前で泣いた。僕は騙されたのかもしれない。僕も泣いた。彼女を騙し返したのかもしれない…)
三日前街一番のビルが倒壊したのは僕たちのしわざ
寝る前に自分たちの腹の中の寄生虫の数をかぞえ
僕たちだけのイカした神様にお祈りをする「嗚呼、あの皆殺し兵器に!」
とびきりの疫病にかかり
黒い血を吐き
学校をさぼり
排ガスだらけの旅に出る
(僕たちが会うのはさびしさの穴埋めの穴埋めの穴埋め)
毎晩大音量で騒ぐ
からっぽのパーティー
彼女は僕のサンドイッチに毒を盛る
あらゆるものの燃やしかたを研究しよう
誰かの遺書をオペラ調で朗読しよう
そんな夜は300年続き
やがて手の先から壊死は始まる
僕たちの指は触れあうそばから崩れ出した…
(嘘7000……その実(じつ)6997の嘘と3つのほんと。)