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Death & Honey

死と蜜、儚く甘く気だるい魔法

”絶対零度の砂漠を進む”

八つこぶラクダの背中に乗って

気分はアラビアのロレンス

もう千年もこの調子

 

干からびたガイコツの案内役が

カタカタ鼻歌うたってる

 

僕ももはや右手と左足が骨と化し

旅の目的忘れてる

 

(…そうだ、君ん家に行きたかったんだ。それがどうしてこんなことに…)

気がついた時はもう遅い

軽いめまいを覚えつつ

絶対零度の砂漠を進む

 

涙がでるのは

目に入った砂のせい

なんて気取ってみたところで

話し相手もいやしない

 

さらに千年

さすらいは続き

僕もガイコツの旅人に

 

この体には純粋な

手段そのものが残留し僕は何も感じなくなった

 

ところがある日、

眼前の地平線に

懐かしい一軒家

 

そうあれこそは

君の家!

 

これが今や僕の生きる意味

心躍らせ

ラクダを走らせる

 

でもどうして気づかなかったのか

 

油断していた

それは残酷な蜃気楼…

 

さらにさらに千年が経ち

八つこぶラクダはとうに倒れ

案内役はガシャと崩れた

 

こんなことわざ無かったっけ?

話し相手はいやしない

 

僕はいまだに飽きもせず

絶対零度の砂漠を歩く

 

だって知ってるもの

蜃気楼の向こうには

君の家が待っている