“消費され尽くした夜”
ようやく手にした念願の黄金を
君は自慢げに舐める
このレトロに気取った宮殿の宴の中で
君は誰にも相容れない星
酒は渇きを癒すけれど
歴史を良い方には導かなかった
その湿ったように光る黒髪が
僕に悩ましい罪の感情を起こさせる
この夜の風は
どこまで続いているのだろうか
まだ見たこともない国や城や人々、町並み、自然、美しさが
この夜空の向こう
あの山の向こうにはあるのだろうか
僕の周囲を取り巻くこの世界の
なんとちっぽけなことか
また一杯、酒を飲み干して
僕は夜を消費する
あらゆる者を誘惑するための
君のその黄金が
僕にとって一体何の価値があるというのだろう