2016-07-02 “鉢植えの運命” 詩 彼女が殺そうとしたのは 紅茶の渋みのような慕情 己を支配しているクリスタルの寺院 不安な音を出すエレベーター 溢れた安いポップコーン 林檎の気配を湛えた毛布 この世のすべて 何気ない部分まで本当は発光していることを知り 「くたばってしまえ」と 勢いよく悪態をつく カーテンのそばの鉢植えが 申し訳なさそうに 今夜こっそり枯れるだろう