2016-07-18 ”色彩は夜淡く” 詩 サァサァと 窓の外から 静かな雨の音 夜深くまで 猫背の青年は部屋の真ん中で雑誌を広げている ステレオからシンセサイザーの滑らかで物憂げな響きが空間を浸す 彼は片思いのクラスメートにメールしたが 返事が返ってくる気配がないのでもう寝ることにした 明日の朝、目が覚めたらきっと雨はやんでいて この迷いや 揺らぎや 寂しさを 彼は思い出せないだろう それは儚くて、脆くて、どうってことのない雨の夜の淡い色彩