”プラスティックなまばたき”
紫色した憂鬱の剥製を窓際に飾る
君はきっと倦怠と失望のストライプのマフラーをして
口笛はボサノヴァ
カラスはまっ黒になる前、虹色だった
そのことを知ってか知らずか君は今、頭からつま先まで虹色
うつむいて街を歩く君はシャガールのような青い寒気の帯を見る
君の軽やかなプラスティックのまばたき
(羅列された言語野のいたずら…)
レトルトの希望はどこか酸っぱい味がしただろう?
嘘っぽいビートに身を揺らして
「これもリアル」だなんて言う君
破かれた白い不安のカーテンは
君の部屋にまばらな陽光を落とす
嗚呼、それでも日々は続くから
この先、君がモノクロの悔恨をまとった殺し屋に出会わないことを祈るばかり
君の軽やかなプラスティックのまばたき
(羅列された言語野のいたずら…)
閉じたまぶたの裏にだけ、君はこの世の真理を見る
それを誰かに伝える必要は無いよ
口にした時点でそれはただの言葉になってしまうから…