Death & Honey

死と蜜、儚く甘く気だるい魔法

”川向こうの夜”

ディレイ前の

夕暮れ前の

移ろう時の余韻に誘われて

 

またもや夜の

こちらへ向かって走ってくる夜の

その呼吸が

大きな川の向こうから聞こえる

 

身構えても

心構えても

 

夜には勝てない

やってきては

去っていく

 

それだけのことなのに

私はパーカーの前を閉じて

フードをかぶって

(このままでは無防備すぎる⋯)

ざわざわする不思議な気持ちを抑えながら

帰路へと着いた