Death & Honey

死と蜜、儚く甘く気だるい魔法

”睡蓮”

 

言いがかりの睡蓮と

待ちくたびれた君に告ぐ

 

考察することの不自由

無心でいることの不自由

生まれ持った麦穂の暖かさと

冷えきった影法師

眠りにつく直前の浪費

決まり決まった散文詩

 

黒い布に覆われた天蓋を

意味深げに眺める君

 

そこに何があるのか

何も見えない私に教えてほしい

 

 

価値もなく

価値を知らず

昆虫の世界に非常によく似たこの人間界を

君は貴重な魂の輝きでもって

優雅に泳ぐ

 

目をつぶり

四肢を組み立て前のようにばらばらに分解されたら

また眠る

それはクレバスに落っこちるような

短い死

次に目が覚めた時は違う自分

誰も外からは気付かない

詐欺師の人生

また違う魂