2016-12-18 ”優しさについて” 詩 優しさについては書けない 包まれて初めて気づくもの 生まれて初めてわかるものについては 真冬の誠実な毛布や 春の青黒く遠い海原や くたびれて黄ばんだ絵本の中にあるような 優しさについては 到底書けっこない 今日生まれた 今日死んだ 灰になった 嘘みたいだった どこへ行った? どこへ? 触れて初めて気づくもの 抱きしめて初めて気づくもの さびしくなって初めて気づくもの