”どうして今日は終わるの?”
明日が来るのがもったいないくらいだ
どうして今日は終わるの?
土曜の花曇りの夕方
今
この
瞬間が
ずっと続けばいいのに
どうして終わるの?
言い出した順番が大切な順番
私を一番最初に言ってくれてうれしかった
桜の樹の下
散るのは不安
去るのは情け
墨色の幹から時々風に舞う淡いピンクの花びら
それは気まぐれな涙
髪の先に花びらが一枚、とまった
払い落としてしまうと何か寂しくなりそうで放っておいた
どうして?
帰らなきゃいけないの?
明日が来るのがもったいないくらい
桜よ、桜の花びらよ、散れよ散れ
世界を彩って終わらない今日を作っておくれ
過去も未来もいらない
今、この瞬間の幸せを永遠に繋ぎとめてほしいのです