Death & Honey

死と蜜、儚く甘く気だるい魔法

”銀河中が”

温もりを そっと ゆっくりと 熱交換でしかないのに 不思議だな 錯覚して 眠りへ落ちてく 夜がキラキラと泣いているよ 相手をしてあげて 星たちがたくさん 列を作ってあなたの話を待っている 銀河中があなたの話を待っている 銀河中が期待してる

”今夜は構わない”

傷つきやすいので 守ってください と 言えたらなあ ときどき、一番奥の自分が顔を出すよ 一番奥の一番傷つきやすい自分 ときどき、ピキピキ、冬の夜風にさらされたりして そんな時は踊ることにしている 一緒に踊りましょう コンビニで素敵っぽいお酒を買った…

“交差点”

白と黒のストライプが 交わって それぞれの方向へ 何かを指し示しているようで 実はとてもおおまかでしかない信号たち ぬめぬめと ひとひとと まとわりついて 離れない 淡い陰謀のような この世界で生きていくためのルール 気持ちいいのか 気持ち悪いのか そ…

”おやすみの断片”

威張り散らした天上のパイプオルガン 気まぐれなシャボン玉の生命 どうやったって返ってこない手紙の返事 誰も乗せていないのに回り続けるメリーゴーランド そんな景色 もう忘れてしまったよ こうやって思い出のように話しかけているけれど 戻らないものがあ…

”優しさについて”

優しさについては書けない 包まれて初めて気づくもの 生まれて初めてわかるものについては 真冬の誠実な毛布や 春の青黒く遠い海原や くたびれて黄ばんだ絵本の中にあるような 優しさについては 到底書けっこない 今日生まれた 今日死んだ 灰になった 嘘みた…

”あまのじゃくブラックホール”

朝はいつもまぶしいけれど、 目が開けられない 日付が変わる頃、 私はやっと覚醒する 毎日同じ友人と会い、 同じ宿題をして、 同じ海の中 私の背中にはフジツボが生え始めた ☆なんだかなぁ 途方に暮れる 左胸に ぽっかり開いた ブラックホール 気づいてるけ…

”どうかジョーカーを引かないようにね”

あの世のことなんてなんにも知らない ケーキの上、溶けて崩れる素敵なストーリィ 逆算して生きてく どうかジョーカーを引かないようにね でもね これは 嘘じゃないよ 23歳で覚えた合言葉さ

”言葉摘み”

飛び込んで 蒼い言葉の湖 潜る 深く深く どこまでいけるのか 紫の珊瑚、知らんぷりしている岩、「無」を縞模様にしたためた魚たち かき分けて かき分けて あんな言葉 こんな言葉 見たことのないような言葉まで 触ったことのない言葉まで こわごわ たくさん …

”在る”

吸い込んで 吐く 続くことだらけ 終わることといえば 今日という一日か 揺れて 流れて 拡大して 縮小する 自分を固定しなくなってから とても安心できる とても不安になる 大きさも形も色も 自由自在 私は光りたい 砕かれたガラスの粒 その一つ一つ 不安は言…

”混沌を選べ”

静寂に包まれ 混沌を選べ 轟音に耐えられない哺乳類たちは そこで息絶えた 大きな骸たちが灰色の浅い沼地にどっしりと横たわっている 静寂に包まれ 混沌を選べ 轟音の壁に絶望させてよ 色のついた夢を見せておくれよ 骸たちの上 スキップして超えて 沼地の向…

”なんて喜劇的な涙”

いやはや インプット過多 さてさて アウトプット過多 こんな調子だから 雲上にある白金のピアノを調律して あなたは 「愛してる」 そのメロディを奏でる ああ、なんて茶番 こんな調子だから 街行く私はドロドロバスや にがにが電車に詰められて 車掌の合図と…

”沈鬱のディナー”

分解 骨組み 欠片 空間 何も 知らない 何も 言わない 沈鬱のディナー 神様 走る 騒ぐ 光る 血が出る 時代の兆候は 君の額の真ん中の風穴 何を信じようが 何を壊そうが 知ったこっちゃ無い 歪んだ 僕は 優しさを忘れて 殴られた 分解 脳 血 潜る 君は 悪魔 僕…

“気配だけが残る”

無音 重さが消え 軽さが消え 呼吸の音が告げる空間の広さ その一方で雑音 つまり若さのかけら くだらないやり方の広告をすり抜けて 生きたいと 死にたいが 同時 眠る直前の 淡い光 今にも消えそうな私 気配だけが残る 予感だけが頼り 切り立った崖の上 そん…

”お気に入りのマグカップで”

絵文字顔文字 エゴエゴエゴ 積もり積もって ハイ、サヨナラ バハハイってもんだ 美しいものが見たくて生きているのに じゃれあってどいつも 馴れ合ってこいつも ハイ、サヨナラっていつも バハハイってもんよ ずっと居場所を探しているけれど それ自体、間違…

”問い”

言葉は詩であるか さもなくば 砂浜で朽ち果てる家を持たぬ老人のしゃれこうべであるか

”エクスクラメーション、ベイビー”

ーーーだって びっくり! 世の中 いろいろあるよね ーーーだって がっかり! 君だって いろいろあるよね そんな繰り返しを忘れて⋯ 目を閉じてごらん 一瞬の暗闇 目を開けてごらん 永遠とも思える光 びっくり! 黒々と 道は続き 駱駝色した 木々はうねり 黄色…

”それは”

キラキラと降り積もるそれは 頑張ったって伝わらないそれは 愛しただけじゃ敵わないそれは 地球を回しているそれは 全部受け止めて 抱きしめてやる 全部受け入れて 慈しんでやる ふつふつと湧き起こるこれは 走ったって追いつけないそれは 憎んだだけじゃあ…

”異邦人の砂”

砂 めり込む足 歴史は飯ごうの裏で焦げ付いた お札(さつ)一枚で 拡張され得る感受性 等間隔の息遣いと 変えられない名前が 採点されようと 裁きの門の前に列をなす この街で いつまでも異邦人風情を漂わせたまま私は 夜の街灯のいくつかにタッチした 星

”スイミングプールは空虚”

挙げ句の果てに挙動不審 イカれちまったこの神経じゃ この夏を乗り切れるかどうか、だ スイミングプールは空虚 「おかしいね」って二人して笑えたら シャッター街が垣間見せるアフターアワーズのから騒ぎ 黄ばんだネオンのトンネルに響くかつての賑わい 仕事…

”当たり前のように今日は”

当たり前のように今日は始まらなかった いつもどん底で 毎日最低値を更新している 死んだままの心 乾いた熱帯雨林 電柱の陰の生き物と目が合って 「殺される」と実感する ここらには碌なやつがいない 碌な事件がない 冷たい小雨をかぶりながら 今日も罪深い…

”ストロボライトの本音が一瞬”

雷火ドローイング そんでテンダネス 燃える点は線に 繋がっては形作る妖しげな幾何学模様 なんちゃって、台無しな人生の設計 そう言って、最後は屋上で磔刑 とんだ大ウソつき 愉快痛快 風吹く街 メロウなボーイ ヴィヴィッドなガール 感じやすく脆い爬虫類た…

”マネキンの鼻歌”

骨組みだけの友情に 酒を注いだ後半生 純情で滑稽なバラードに 私は感化された ポップコーンを半分残す 窓のそばで 雷が怖いと君は抱きついてきたけれど 私は鼻歌を歌うのに必死だった 二つのマネキンが座っている 鏡の無い家 前半生が思い出せないのだ ああ…

”ここは一人では寒すぎる”

いつも多すぎるんだ いつも少なすぎるんだ 飢えて 耐えて あなたに送る言葉の羅列 笑顔の羅列 身体が作り出す甘美なもう一つの言葉 いつも多すぎるんだ いつも少なすぎるんだ トゥーマッチな世界 猛烈な勢いで回転する地球儀 もう酔った 気分が悪い 誰か付き…

”ラジオ”

あー、あー、こちらは壊れたラジオ局 いつもの雑音を流します テスト テスト 皆さんは黙っていなさい 正座して 耳を傾けなさい 我々が思うように動きなさい あー、あー、こちらは壊れたラジオ局 いつもの雑音を流します テスト テスト 高周波 低周波 ホワイ…

”グロテスク”

目の裏側で 黒い炎が揺れる なにもかもが 鮮明に見えすぎて なんとグロテスクなことか

”均一に たいらに”

どうでもいいや そんなことを思いながら スピーカーからは気怠いポップス 輪郭は消え 次第に眠気が襲ってくる つまらないつまらない 息苦しい息苦しい 毎日毎日 の中で 不意にこぼれ落ちた ため息 小さな口から 大きなため息 誰も助けてくれない 言葉で笑顔…

“誰も知らない生きもの”

崩れたビルの一室で 欠けたミラーボールが回る トカゲが這う ねばねばした夜 歌声に合わせて ごきげんなステップを踏む だんだん視界が紫色に染まってこないかい? 教えてあげようか うろこの下の血管を流れる クリーチャーたちを手なずける方法 代わりに教…

”跡”

狂ってしまえと 開いた掌には花びら 桃色した花びら すぐに消えて無くなった 風に溶けて 夕闇に馴染んで この傷もやがては癒え 跡も消え 明るい表情をとり繕ったりするのだろう リリリ リリリ 今日もいい天気で 街はもう狂っている そこかしらが爛れ 麻痺し …

”Karma: Α to Ω.”

笑いもしない月の上に 続く三連符は もうどうにかこうにかならぬかと 必死に足掻いている 次第にそれは北極狐の様相と化し 狂って踊る羅針盤と契りを結んだ 崇拝する無限とは言の樹の葉である 遊来する夢幻とは妙(たえ)なる調べである 思考と行動を連結する…

”琥珀に閉じ込めて”

声 50年も昔のレコードの歌声 ラジオから流れてくる今の声 どっちが寂しい? でも私は あなたのその艶っぽく低い声を 琥珀に閉じ込めて そっと ずっと 持っていたい

”欠けている”

僕に何か欠けているとしたら それは愛だ 律動だ 馬が駆ける 誰も載せていない馬 死んだ栄光や 寂しさで繋ぎ止められた伝統が 人々を覆っているけれど 僕に何か欠けているとしたら それは情けだ 情欲だ 鞭が舞う 若さは割れた硝子 泡は泡のままだというのに …

”暗い部屋で”

煙を見る 遠い友人を思い出す むやみに長かった夏 その甲冑 その下の 名付けることのできない 熱 眠気 繰り返し 繰り返し ライターの炎 消え それだけが頼りだったのに 飾られた人形 見えないものが見える 暗い部屋で 見えないものが

”メビウスの輪”

眠気と吐き気 胃から何かが逆流する 餓死を選んだ砂時計 逆立ちしたら またどこかで 赤子が泣き始める 宴会を始めた鷹たちが そんな赤子を狙っている

”動いている、生きている”

笑ってる人が憎らしい 泣いている人が憎らしい 本当は 自分の周りで 生きている存在を感じるが怖いのだろう 生きている 動いている とくとくと ぬめぬめと こっちに 伝わってきそうで にじんできそうで 怖いのだ

”よくできた嘘”

よくできた嘘ね 騙されてあげよう 私たちはそのままお買い物を続けて マネキン達に笑われてる すれ違う人達に 信号待ちの向こうの道路のカップルに くすくすと 笑われている 今の私たちからその素敵な嘘を取り除いたら 何も残らない きっと そう思うとなんだ…

”ごらんよ”

吐き出してしまえ 彼岸の向こうからやってくる言葉たち 此岸の奥の底から這い上がってくる言葉たち 現実に自分をフィットさせようとしても はみ出ちまって 収まらないよ 矮小な現実とやら 退屈と忙しさを掛け合わせて 時代と空間を混ぜ合わせて ありきたりな…

”睡蓮”

Ⅰ 言いがかりの睡蓮と 待ちくたびれた君に告ぐ 考察することの不自由 無心でいることの不自由 生まれ持った麦穂の暖かさと 冷えきった影法師 眠りにつく直前の浪費 決まり決まった散文詩 黒い布に覆われた天蓋を 意味深げに眺める君 そこに何があるのか 何も…

”川向こうの夜”

ディレイ前の 夕暮れ前の 移ろう時の余韻に誘われて またもや夜の こちらへ向かって走ってくる夜の その呼吸が 大きな川の向こうから聞こえる 身構えても 心構えても 夜には勝てない やってきては 去っていく それだけのことなのに 私はパーカーの前を閉じて…

”窓の外の血”

私の言いたいことを私は聞いた 私の悲しみを私は知った 細胞 臓器 チョコレート・ケーキ 煙草 脳みそ 電話しても通話中 メールには明日の約束 明日じゃなくて今、この時 私は回転しているというのに 嘔吐し 切り裂き 罵声 暴れているというのに 弱さの吐露は…

”碇”

碇を下ろすことなく 流れに身を任せ 時に抵抗しながら ひとところには長くはいない 君 たどり着いた岸のひとつひとつで 旅したくても旅ができないと、 自分でそう決めてしまった人々が羨望と反発の声を上げている

”夢を混ぜあって”

夢を混ぜあって 綺麗な夢 素敵な夢 残酷な夢 醜悪な夢 僕はもうなんだか疲れ果てちまって 消えてしまいたい そんな気分さ 感じなくさせておくれよ そのために 夢を見せておくれよ 君の夢 僕の夢 僕はもう君に頼ってばかりで 消えてしまいたい そんな気分さ …

”夜におちたら”

夜に落ちたら ついておいで 灯籠なんて置いて 苔むした石畳 何もかもが自分よりのっぽな気がして ぼくを引く手は誰? 夜に堕ちたら ついておいで 灯籠なんて置いて 苔むした石畳 今じゃ何もかもがぼくよりちいさい ぼくはここまでよごれてしまったよ 他人に…

”荒唐無稽なパラダイス”

戯れるような指先に 潜む哀れな慕情 0か100か 究極の選択だなんて もうたくさんよ 引っ張りだすよ いろんなところへ行こうよ そして天国で 二人して やんちゃの限り尽くして 裁きを待っているだけの人たちの驚く顔を見るのよ そこは荒唐無稽なパラダイス 青…

”恐竜の背中”

ゆっくり 続き 変わっていく ゆるやかな 大きな恐竜の背中に似たカーブ

”タブー”

網の上 この体 苦痛のグラデーション 天空に向かう矢印 『睨(にら)め、 あいつが君を作ったんだ』 望まなかった… 回らない独楽(こま) 逆さに落ちる雫 裏返しの階段 真空の卵 プレイヤーのいない双六 愛情の羅列 愛情の羅列 愛情の羅列 『憎め、 あいつが君を…

”割れた破片”

渇き 瑠璃色の大海原 飢え 遠近感を失う白樺の森 求め続け 失い続ける ある日 ”心”なるものが身体から離れた 軽くなったよ 一つ白い風船が灰色の空を昇ってゆく⋯ うん、そうかもね 目に映るものはぜんぶ嘘っぱち 風はやみ ー凪ー 鏡に映る自分を見た こんな…

”やり口 逃げ口 出口は細道”

崩す レトリック 刻んで 騙す そのトリック 不満で 濁す サディスティック 睨んで 見かねた大人が口出しをしてくる またいつものパターンさ やり口 逃げ口 出口 は細道 見慣れた規律が口出しをしてくる またいつものパターンです 私の心の中はいつも嵐

”プラスティックなまばたき”

紫色した憂鬱の剥製を窓際に飾る 君はきっと倦怠と失望のストライプのマフラーをして 口笛はボサノヴァ カラスはまっ黒になる前、虹色だった そのことを知ってか知らずか君は今、頭からつま先まで虹色 うつむいて街を歩く君はシャガールのような青い寒気の帯…

”未来を幾つか”

未来を幾つかちょうだい もう意味のなくなってしまった言葉たちを並べて 青春をくり返そう きっと素敵な日々 何にも見えない 何にも聞こえない 触れたって 崩れていくだけ そんなはかない未来が一つくらいあったっていいじゃない

”青い夜”

バスの車窓から見た夜の街はなんだか遠くって 窓ガラスに薄く映る、重なる自分の視線はぼんやり物憂げで こんな夜が十代の頃はよくあったっけな なんて思いながら 揺られていく 青い夜