Death & Honey

死と蜜、儚く甘く気だるい魔法

2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧

”テレビワルツ”

画面に映るスターは僕の顔色を伺う 笑ってやるよ 皮肉が口癖で 僕の舌はただれた 黙示録 それさえもテレビ越し いびつなワルツでもいいじゃないか 二人で踊ろう(2006年の若者、恋人達) 過ぎてく毎日にディストーションをかけろ 歪んでるくらいで丁度良い 真…

"奇岩群"

奇岩群 触れたら、しんと冷たかった 空気が綺麗で 心地よく目覚めた朝のような 何に見える? 人間の顔や 獣の顔 怖くないよ そう、隣にいる君のほうが、ずっと怖い

“虜となって”

化石のようなルール 石灰質のウソ 孤独の定義 愛情の大義 天気図に左右される人生 いつも以上におどけて 歴史的なスマイル 博物館に並んでいてもおかしくないような人生の上での決断 ただれた火傷、胸焼けのように残る若さの火照り 指にそんなものを絡ませな…

炎天下 目に焼きついた 黒い猫

"夢のような日々"

時間がない そうこうしているうちにもうおしまいさ さあ、手を広げて ご覧 ぐるぐる ぐるぐる 回り続け 落ち続け 堕ち続け 目が回って気分が悪い 夢のような日々は どこへ消えた? どこへ行ったって 腐った臓物が発する雑音ばかりで うんざりするのさ だから…

”君は笑った”

僕が泣いているそばで 君は笑った 「まったく、世界はおかしいね」と 君は笑った 必死に防衛する僕 必死に隠れる僕 何から逃げているの? 何に傷つけられようとしているの? 「まったく、世界はおかしいね」と 僕の隣で 君は笑った

”笑い泣く”

裏がえった影の微笑み 作りものの歴史 思考は家具と壁の隙間に 人生は指と指の間に 笑っても泣いても 神様は来なかった 憎んでも愛しても 私は死ななかった

”泡”

行く末もわからないまま 洗剤の泡のように漂って 重力も感じず 自分の身体の輪郭もおぼろげ 虹色に変化する絶望や 人生が 恋しくて 空を見た 雲があった 泡が一つ、ぱちんと消えた

”抽象的な気分の時に”

抽象的な気分の時に 言葉はぽろぽろと溢れ出す 私が生まれて、死んで 誰かが生まれて、死んで そんな仕組みを忘れたまま 生きていけそうな一瞬 抽象的な気分の時に 当てはまる言葉もないまま

”視点”

霞むのは今 明確なのは過去、歴史 チェック模様の霧 さまよったら 歩き始めたら もう帰らない

”異国にて”

「嘘つきの目玉から取った氷をお飲み。道に迷わないように」 占い師に教えてもらった地図とは少し違う 遺伝子の辿る運命とは少し違う 「信じないで。 死んでゆく善人達の言うことも」 「ここは 君の夢見た蜂の巣型の集合住宅とは少し違う。 前世紀の落書きだ…

”パーティ”

あまりの孤独に 手がかじかんだ 疑似餌のパーティ 天気の会話 芝居がかった愛撫 あと、 自分の愛情を肯定するためのあらゆる方便 フルーツカクテルでまぎらわす 皆それに気づきながら 騒ぎ、踊る 泣きながら ザリガニを見つけた 誰にも教えたくない よくわか…

”閉じたまま”

誰も見ていない臨時ニュース 僕の顔色を伺う 酒は水道から出てくる 家具に火をつければ やっと暖が取れるってもんだ 誰かが君に値段をつけた —吐き気がする! 生きている意味が知りたければ、食事している時の僕を見ればいい 当たり前の事ができない —期待す…