Death & Honey

死と蜜、儚く甘く気だるい魔法

2017-11-01から1ヶ月間の記事一覧

"分断の銅像"

優雅に進む 無理なく進む そのはずだった どこかで狂ってしまった 分断された空間 箱庭 怒るだけで精一杯の人達 かわいそう 憐れみの染み込んだ土壌 知らんぷりした銅像 世の喧騒なんてどうでも良いよ、と 風雨にさらされている 傘をなくした私は ずぶ濡れで…

”夜が開けることを知らない子供たち”

化学煙はファルセット 空高く昇り 裏返り 消えていく 血圧は下がる 心臓をノックする 生きようと 生きようとして ぶつ切りの言葉 祈りはもはや遠い 叶わずに散った花たちや 朝を知らず 夜が開けることを知らない子供たち いつか終わりは来る 締めの言葉を用…

”ウインクを一つ”

躊躇いの因果か 野生の系譜か 背筋を昇ってくるスリル 遠い遠い先祖の声がする それに従っているだけ 罪を犯し 裁かれたこの魂は 果たして清らかになったか? 太陽の黒点 忘れたつもりでも いつもどこかに黒い点 −こびりついた血は消えず 断頭台で 洒落た言…

”うめき声の破片”

湿っぽさを振り切り 無縁 もどかしいが耐え忍び 孤独 強く生きていたいだけなんだ −夕日が水平線に溶ける 風景に負けるつもりはない 心象、描いた習作の山 蝋燭で照らす 波打ち際 辺り一面に うめき声の破片 拾っても拾っても 数が減る気配は無い 回収屋の出…

”霧の運河にて”

本当に恋しい時に会いたい人が運命の人だから 君じゃないね 寂しい時じゃなく 穴を埋めるのではなく 永遠という嘘で遊んでるのさ 揺らぐ気持ちの中で 不安のボートに乗り 船頭は私に優しく語りかけた 運河は霧深く 私は船頭が何を言っていたかもう思い出せな…