2016-05-22 ”痛み” 詩 ねじ切れるような痛みの中で 少年はひざまづいた 息も絶え絶えに 蝿が飛ぶ その軌跡は 彼の残り少ない人生をたどる とここで鳴るはずのパイプオルガンは昨晩の火事で焼失していた 幼い彼の臓物は塩漬けにされ 牛頭の民族の市にて高値で売買されるだろう 誰もそのことを 尊厳を傷つける行為だと 避難する者はいなかった 町は痛みと共に生きている