Death & Honey

死と蜜、儚く甘く気だるい魔法

”痛み”

ねじ切れるような痛みの中で

少年はひざまづいた

息も絶え絶えに

蝿が飛ぶ

その軌跡は

彼の残り少ない人生をたどる

とここで鳴るはずのパイプオルガンは昨晩の火事で焼失していた

幼い彼の臓物は塩漬けにされ

牛頭の民族の市にて高値で売買されるだろう

誰もそのことを

尊厳を傷つける行為だと

避難する者はいなかった

町は痛みと共に生きている