”かりそめの恋心”
さようなら!かりそめの恋心よ!
僕は崖から飛び降りるだろう
そんな夢を見るだろう
泡のような夢を見るだろう
くだらない夢を見るだろう
少ない言葉と
少ない色と
少ない線だけの
額に入った
君を好きになった
泡のように消えるだろう
崖から飛び降りるだろう
嫉妬で身をよじらせながら
炭酸みたいに砕け散るのだろう
散り散りになるのだろう
無意味な思慕に魂を捧げた
嗚呼哀れな青春よ
哀れな思慕よ
ガラス窓のように馬鹿げていて
消火栓のように愛おしい
灯台のようにおかしくって
黒い、大きなピアノのように図々しい
誰が馬鹿にできようか
(馬鹿にできるのは僕だけだ)
さようなら!かりそめの恋心よ!