Death & Honey

死と蜜、儚く甘く気だるい魔法

”貴死電信哀歌”

残酷無神

退廃懺悔

堕天崩落

 

死ヌトアッテハ誰モ止メラレヌ⋯

 

無常哀花

集落弾劾

放念自決

 

シヌトアッテハダレモトメラレヌ

シヌトアッテハダレモトメラレヌ

シヌトアッテハダレモトメラレヌ

 

電信を打っていますあなたに

電信を打っていますあなたに

 

聞こえますか?

聞こえますか?

 

 

 

 

”無風”

窓の外は嵐

夜より暗い部屋

不安不安不安は

funじゃなくno fun

「未来は良いもの、過去は良いもの」

ロックスターに騙されて

味わってみればどっちも無味無臭

 

誰も嫌いになれない

誰も好きになれない

心は無風

ただ、流れるマグマを見ていたい

 

窓の外は嵐

夜よりも暗い部屋

不満不満不満は

loveじゃなくhate

生き方は誰かからコピー・アンド・ペースト…

落ち込み出したらキリがないから思考停止

 

誰も嫌いになれない

誰も好きになれない

心は無風

ただ、膨らむ宇宙を見ていたい

 

私は良い人?

悪い人?

優しい人?

怖い人?

愛したい?

殺したい?

どうして決めようとする?

どうして他人との距離を測ろうとする?

もううんざり

いつから自分にうんざりするようになった?

 

心は無風

ただ、変わってゆく自分を見ていたいだけなのに

 

 

 

 

 

”夢の標本”

冷房の効いた部屋で生まれた赤ん坊が

砂糖をなめている

 

サボテンのとげ

私ははちまきを頭に巻いて

何かをがんばっている

しなければいけないことは

なぜかもうわかっていて

後はそれをするだけ

 

仕事が終われば

空き地いっぱいの巨大なアンモナイトの中で鬼ごっこをしよう

冷えたカンパリを飲もう

大声で肩組んで歌おう

 

なんだっていいさ

どうせ朝までの命なんだから

 

 

 

 

”発芽 How to”

発芽

How toなんていらない

ライフハックなんてつまらない

舌がもつれて

君の前ではもう話せない

 

感情

移ろいやすく淡く脆く

結局のところ脳内物質の分泌の過剰、不足だとしたら?

たったそれだけの事実だとしたら?

 

頬は潮風を感じ

なんだかもやもや考えているうちに土曜の日が暮れた

もう思い出せない

手がかりをくれないかな?

幾何学模様の手鏡や溶けそうなソフトクリーム

森羅万象

知覚

無自覚も

ひとところに収束はしない

結論は出ないのに

彷徨ったふりして

飢え渇いたふりして

 

やがてまた発芽

How toなんていらない

ライフハックなんてつまらない

舌がもつれて

君の前ではもう話せない

 

 

 

 

 

”選んでいるところ”

その脳内世界に

つま先からひたって

肩まで浸かって

もう逃げられない

逃げたくもない

 

自分で話したい

大好きなあの名曲は確かにこの気持ちを代弁してくれるけれど

私は私から話しかけたいんだ

自分の言葉で

その言葉を選んでるところ

 

当たり前のような気はきかないし

鈍いし⋯

やんなっちゃう

自分への恨みつらみ重ね

眠れないよ週末は

あ〜、何やってんだろう

部屋の電気消して

スマホばっか見てる

 

積み重なったのは他愛ない会話だけ

愛ある会話がしたいよ

 (先に愛の定義をせよ!)

 

お洒落なのにリュックだけダサいとか

指が細くて長いとか

何か教えてくれる時の伏し目がちな目つきや

笑いをこらえている時に赤くなることとか

 

いっぱいいっぱい

言いたいことはあるのになぁ

 

自分で話したい

名曲は確かにこの気持ちを代弁してくれるけれど

私は私から話したいんだ

自分の言葉で

その言葉を選んでるところ

 

 

 

”両の眼球が”

何かわかったかい?

 

大人たちは遠いところで自慢している

子どもたちは遠いところで謳歌している

 

どちらにも、『私』は属さない

ねえ本当は、

君も含めて、『私たち』と言いたいところだけど、それは許してもらえないだろう

 

「わからない」

この指先が答える

 

愛情でも友情でも義理でも契約でもなく、ただ、単純に

君の両の眼球が、こっちを見ている

 

 

”かりそめの恋心”

さようなら!かりそめの恋心よ!

僕は崖から飛び降りるだろう

そんな夢を見るだろう

泡のような夢を見るだろう

くだらない夢を見るだろう

 

少ない言葉と

少ない色と

少ない線だけの

額に入った

君を好きになった

 

泡のように消えるだろう

崖から飛び降りるだろう

嫉妬で身をよじらせながら

炭酸みたいに砕け散るのだろう

散り散りになるのだろう

無意味な思慕に魂を捧げた

嗚呼哀れな青春よ

哀れな思慕よ

ガラス窓のように馬鹿げていて

消火栓のように愛おしい

灯台のようにおかしくって

黒い、大きなピアノのように図々しい

誰が馬鹿にできようか

(馬鹿にできるのは僕だけだ)

さようなら!かりそめの恋心よ!