Death & Honey

死と蜜、儚く甘く気だるい魔法

”そのコントラスト”

鎮痛剤

鎮静剤

迷いは夕暮れに定めし焦点

奢りは猿の狂いし瓢箪踊り

 

ドレッド、モヒカン、ショッキングピンク

宿りし命を捨て

 

回る回るビイドロ画廊の永遠にも感じるような眩暈

足元はおぼつかず

 

漸くーーー

 

冷たいタイルにぽとぽとと落ちるあたたかい血

無常を示す白いタイルと生命の根源的激情を抱く鮮血

そのコントラスト

 

 

 

”友達思い”

励ましは虚空

便りは儀礼

人生、

生命、

繋がっているうちは

お菓子の詰め合わせのようなもの

 

もいで、

もがれて、

何も無くなった時、君は思うだろう

「まだある!」と

 

そしてカーニヴァルは彼を送った

在りし日の面影を

人々は偲ぶ

呪文

呪文

呪文

先に行っていた私は彼を出迎えた

 

フルートの音

 

 

 

 

”防波堤のふちに”

ぽつぽつと小石大の言葉を防波堤のふちに置いていって

救われ

洗われ

赦される

 

それがいつの間にか流れを作り、うねりを産み

気がつけば私は渦中にいて

 

もう身動きが取れない

何もできない

ゆるしてほしい

 

ゆるしてほしくて

ゆるしてほしくて

 

こうなった

 

 

 

 

”僕らは謳ったね”

避けきれない疼痛

無銭 流解

百薬 羨望鏡 

情操は上へ下へ有耶無耶

できる限りおどけて狂って笑って。

 

とんだ驚き鉄砲玉

嵐のさなかの一瞬

濁流

振り返れば一瞬

あまりにも鮮やかで濃密な一瞬

できる限りおどけて狂って笑って。

 

僕らは遊んだね

僕らは謳ったね

 

 

 

”春の夜の献体”

倦怠

上を眺めればたそがれに浮遊

下を見おろせば沈む波打ち際

 

春の夜の献体

この厳かな生命

その響き

巨大な黒い海

吸い込まれそうになって後ずさった

 

春の夜の海がどの季節の海より一番良いって教えてくれたのにあなたはもういない

 

 

 

”無響残影 乞う絶/死 獄”

慟哭

無縁

 

其処に意義は無し

故に異議は無し

 

脳天

顳顬

死ぬまで残る此の痛み

 

醜塊

重鉛

深海

 

彼岸

此岸 

 

beyond.

 

愚、愚、愚

 

 

 

 

 

 

 

 

”どうして今日は終わるの?”

明日が来るのがもったいないくらいだ

どうして今日は終わるの?

土曜の花曇りの夕方

この

瞬間が

ずっと続けばいいのに

どうして終わるの?

 

言い出した順番が大切な順番

私を一番最初に言ってくれてうれしかった

桜の樹の下

散るのは不安

去るのは情け

墨色の幹から時々風に舞う淡いピンクの花びら

それは気まぐれな涙

髪の先に花びらが一枚、とまった

払い落としてしまうと何か寂しくなりそうで放っておいた

 

どうして?

帰らなきゃいけないの?

明日が来るのがもったいないくらい

桜よ、桜の花びらよ、散れよ散れ

世界を彩って終わらない今日を作っておくれ

過去も未来もいらない

今、この瞬間の幸せを永遠に繋ぎとめてほしいのです