Death & Honey

死と蜜、儚く甘く気だるい魔法

”救え”

叶わなかった

散れ散れの夜たち

その願いや祈り

掬いとって

 

墮落の悲劇

愛らしき十七歳

どれもこれも散れ散れになった夜たち

それもこれも卑屈になった轍

 

神の怒り

背いて

君は光り、笑う

 

端的に言えば「答え」だ

ただ一つに纏まらない想いなんだ

君の穏やかなその・・・

 

 

”お前は宙吊り”

はりきりたいね

やりきれないね

なんて捨ててって

消えてったって

 

結局「いくら?」って

相場踏んで

死んでくだけで

 

悲しいよね

もういいよね?

 

言ったそばから蒸発

泣いてすぐさま出発

 

悲しいだけで

もう

泣いてるだけで

力にもなれない

 

痩せた若者は

毒を吐きながら

また死んでいく

また

 

幸せにもなれない

不幸せにもなれない

お前は宙吊り

 

 

 

”光れるなら”

消えない

見えない

連なりをもったつらさ

 

黒い鎖

連鎖する光

 

君と私の間で霞んでいった言葉たちがある

 

もう一度思い出して

もう一度言い直して

何か戻れるなら

空で光れるなら

 

また行きたい海があって

きっと変わらない波音があって

 

 

 

"射程距離内"

怖いな怖いな

期待しちゃって

暗いな

暗いな

裏切られちゃって

重いな重いな

引きずっちゃって

喰らいな喰らいな

蒼も真も無も

虚も哀も死も

 

はみ出すならば真夜中暴れろ

割り切るならば数字が良いよ

全部無視して 全部無視して

近づくだけ近づいたら

射程距離内

もう呼吸もできない

 

 

  

”願い事”

やっぱ情緒不安定になるな

あのたおやかな春が

つなぎ留めていた微かな

匂いも手触りも確かな

名前も知らぬ膨らんだ赤い花

 

身体を司る命令系統が入れ替わって

残照

砂の地を這う定めが

水の中息ができない哀れな

暗礁

 

でも、もう優柔不断はやめたから

君と巡って果てるその次の朝は

もう逃げないから もう嘘はつかないから

「大丈夫」って言って お願い「大丈夫」って言って

 

 

 

”スワン・ソング”

譲り合って

沈黙

「いずれ⋯」だって

辛辣

 

君の肌まであと少し

意地で生きたっていとおかし

つまらぬ想いが堆積して

見知らぬ者同士が相席して

 

どこまで行ったって冥府

そこまで言ってもセーフ?

露骨に死んだ顔して警告

粗忽な振る舞い故に遺曲

 

これはスワン・ソング

あとは知らん。どうぞ