Death & Honey

死と蜜、儚く甘く気だるい魔法

2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

"記録"

書き記す術を知らず 書き記したいものを知らず 朽ち果てるまで ソーダを飲み続ける 理由は猫が持って行った 結果は死神が持って来た 腐ってた 1000年も経っていた さようなら と君は言う その映像は記録され あとで誰かが泣くだろう それも泡 それすらも泡 …

"ハロー"

予感と日差し 生まれてから今日まで細胞はいくつ死んだだろうか? どれだけため息を吐いただろうか? 悩みをいくつも抱えた小さな旅人 ハロー、ハロー なんて良い響き! セロファンのような幸福の予感 それはとても薄っぺらく儚いけれど たまらなく美しいん…

“鉢植えの運命”  

彼女が殺そうとしたのは 紅茶の渋みのような慕情 己を支配しているクリスタルの寺院 不安な音を出すエレベーター 溢れた安いポップコーン 林檎の気配を湛えた毛布 この世のすべて 何気ない部分まで本当は発光していることを知り 「くたばってしまえ」と 勢い…

”繰り返す砂浜”

常夏の砂浜を 男が歩く 裸足で あてもなく ちぎれそうな頭は 今にも破裂しそうだ しかし彼自身 そんな予感もなく 緊張感もなく 足跡だけが 自らの生の痕跡となる いずれはそれも消え 唯一彼を記憶していた砂浜でさえ これまで通り貝やウミネコと戯れる日々に…