"その蒼をくりぬいて"
偶然も必然もあったもんじゃない
帰路の髑髏
自然 森羅万象 囲まれて 知覚できるだけ知覚してみたら
溢れてしまった
ネイヴィな夕焼けのロングコートを着た人骨模型
左胸あたりに夕日だけがくりぬいてある
金色のいびつな円
眩しくて
夕焼け
その色気
魔法なんてつまらないな
呪いなんてつまらないな
私も左胸をくりぬいて、夕日の光を穴越しに通した
また別の影ができる
この連鎖が思いのほか身軽にさせてくれない
やがて蒼い夜が来て
揺らぎがちな想いは
その蒼に染み込んで消えた